同じ木管楽器奏者さんにも意外と知られていない、謎に包まれた(?)オーボエ奏者が使っているマシンたち。
このページでは、丸材からリードになるまでに使用するマシン類を、加工の工程に沿ってご紹介します(^^)
こんな道具を使っているんだ~と、博物館に来た気分で(?)ご覧ください。
1.葦の丸材を3分割する
まず、ケーンスプレッダー(三つ割り)で、丸材を3分割します。
この時に、ケーンの歪みがなるべく少なく、繊維がキレイな面を優先して割ります。
2.プレガウジングする
ガウジングマシンにかける前に、まず3つ割りしたケーンの長さを揃えます。
(ガウジングマシンの横についているギロチンを使います)
長さを揃えたら、「プレガウジャー」で余分な材料を削ぎ落とします。けっこう力仕事です。
私は、ところてんのように押し出すタイプを使っていますが、もう少し大型の機械(ハンドルを回すタイプなど)もあります。
プレガウジングした状態のケーンを「半カマボコ型ケーン」と呼びます。
3.ガウジングする
ガウジングマシン(丸刃のカンナのような機械)で、半カマボコ型ケーンの内側を薄く削ります。
厚さ0.56~0.60mmくらいまで削ります。(個人の好みあり)
キャリパーで厚さを測って仕上がりをチェックします。
この状態のケーンを「カマボコ型ケーン」と呼びます。
キレイな三日月に削れたらばっちり!
4.シェーピングする
カマボコ型ケーンを、シェーピングマシンで舟型にします。
先端幅が広いものや狭いもの、しぼりのカーブ具合が緩やかなものとスっとシャープなタイプなど、異なる設計の型が実に150種類以上(私の知る限り)の販売されています!
最近はメーカーのホームページなどで型の数値が載っていたりするので、数字を比較することはできますが、いざどの型が自分の理想のものかは、実際にリードにして吹いてみないと分かりません。いわゆる沼です。。。
また、カマボコ型ケーンを二つ折りにしてセットし、カッターなどで削り取る「ハンドシェーパー」タイプもあります。
シェーピングした状態のケーンを「舟型ケーン」と呼びます。
舟型ケーンになったら、チューブに巻き付けていきます。
その工程で必要な道具は「リード製作の道具たち~糸巻き編~」をご参照ください!
5.メイキングマシンで削る
リードのかたちに削っていきます。
ここまで来ればリードとして8割くらいはできた!と思いたい……!笑
きちんとメンテナンスされたマシンで削ると、この段階でパラッと音が鳴る場合もありますが、これ以降はやはり手作業でリードを整える必要があります。
※メイキングマシンにかける前に先端をカットします。
私は↓のギロチンカッターを使っています。いちいち定規で測る必要がなく、台座を切りたい長さにセッティングするだけなのでたくさんカットする時は早くて便利です♪
以上がオーボエリード製作に必要なマシンたちです。
ちなみにお値段ですが、これら全部そろえるとオーボエがもう一本買えるくらいの金額になります(^_^;)
また、マシンも定期的にメンテナンスが必要で、特にガウジングマシンは知識もなくいじるとマシンを傷つけてしまったり、きちんと削れなくなったりと大変なことになりますので、専門家にお任せするか、知識のある人と一緒にメンテナンスすることをオススメします。
嬉しい事に、ここ10年くらいかな?マシンの進化がめざましく、いくつかのメーカーから新しいマシンがたくさん発売されています。
新しいマシンを使ってみたら、ぜひ感想をお聞かせください♪
ご参考になれば幸いです。
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